はじめに
先日、建築CAD連盟主催の勉強会に参加させていただきました。
皆様が合格に近づければと思い、その際の備忘録を残していきたいと思います。
まず、「建築図面は一定の製図規則に従って作図されていれば良い」が基本になります。
そのため、自由度が高く表現方法も多様です。
検定試験でも、図面の表現方法に明らかな間違いがなければ原則減点とはならないのことです。
採点の概要
採点方法
受験者が作成した図面をトレース台にのせて、回答例図面と照らし合わせます。
採点チェックポイントと一致しているか採点者が線分一本ずつ確認して採点します。
「図面全体イメージ」は採点チェックポイントに記載していない部分で採点します。
例えば、「文字、寸法のサイズやバランス」などが採点されます。
建築CAD検定では、200/250以上の得点で合格と言われています。
採点チェックポイント
建築CAD連盟 様より引用。
![採点基準表1](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/06/saiten1.jpg)
![採点基準表2](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/06/saiten2.jpg)
公式で公開されている情報によるとすべての項目でランク2以上とることが目標となります。
計算方法は下記となります。
正しく描けている線 ÷ 必要な線
つまり、誤った寸法の線分で描かれた建具や設備を複写すると大減点になるということです。
寸法指定がない部位の作図
課題図面には、位置やサイズの指定がない箇所があります。
その際の作図方法については、試験問題の補足説明分に「各図面で位置やサイズを指定していない部分は、適していると思われる位置/サイズで描くこと」と書かれています。
指示ない部位については、回答例と多少異なっていても問題ありません。
位置/サイズを指定していない部分は平面図がメインとなります。
- 外部に面するサッシュの位置
- 建物内部のドアの位置/サイズ
- 設備機器類の位置/サイズ
採点基準の誤差の許容範囲としては下記になります。
- 建具:誤差100mm以内
- 設備:誤差150mm以内
例えば、平面詳細図の室内の片開き扉はW760でよく出題されています。
この場合の実際の採点では、 W660 – 860までは正しく描けていると採点されます。
図面から視覚的に位置やサイズを読み取る自信がない方はスケールで測って作図されることをお勧めします。
出題される平面図はグリッドのモジュールは910mm固定です。
建具の位置は、「壁の中央」であったり「片方の壁側」に寄せて描かれており、問題図面から読み取れるようになっています。それ以外のパターンでもグリッドにのっているので、グリッドの位置+75mmオフセットした位置が基本的に建具の位置となることが多いです。
南立面図の床下換気口の位置
床下換気口の位置は正答例から換気口サイズの2個分までは許容されています。
つまり、採点時に重要になるのは、位置というよりも、サイズと数になります。
透視図と問題文をよく確認して、正しい数とサイズで描画しましょう。
また、稀に透視図に床下換気口間に距離の指定があることもあります。
そこも見落とさないように気を付けましょう。
おわりに
回答図面は誤差が認められている箇所もありますが、問題文で指示されている箇所もかなりあります。
いつもの練習ではこの数字だったからと思い込みで図面を描くのはやめましょう。
過去の知識なしでも十分に合格できるように問題を調整されているようです。
合格するためには、問題文をよく読むことが重要となります。
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