【2023年度版 建築CAD検定2級】最近の傾向

建築CAD検定2級

はじめに

先日、指導者用の「全国建築CAD連盟」様が主催する建築CAD検定の説明会に参加しました。
特に重要と思ったことをご紹介いたします。

2級試験では様々な形状の屋根が出題されますが、ここ数年で「飾り屋根」といわれる複雑な形状をもつ、屋根が頻出されています。
屋根の配点は50点もあります。
屋根を正しくかけなければ、合格は不可能といっても過言ではないです。
不合格になっている受験生のほとんどが飾り屋根を正しく描くことができていなかったようです。
ここでポイントを確認していきましょう。

屋根の勾配

勾配の違う屋根

1階と2階の屋根で勾配が異なる場合の課題の出題もされています。
これまでの試験では、1階、2階ともに4.5寸勾配の屋根でした。
ここ最近では1階は3.5寸勾配、2階は4.5寸勾配で指示されています。
思い込みで書かずに課題文をよく確認して作図をしましょう。

飾り屋根

屋根伏図で「飾り屋根」の位置が2階軒高線の真上にない課題も出題されるようになりました。
数年前までは「飾り屋根」はほとんどが屋根伏せ図の軒高線の真上にありましたが、ここ最近では軒高線と異なる位置にある課題が主流になりました。
特に不合格となる受験生では飾り屋根の高さを正しく描けていないことが多いです。
飾り屋根の採点箇所は11個あるため、正しく描けなければ大減点となります。
正しい描き方はこちら
【建築CAD検定2級 立面図③】屋根形状②、バルコニー

課題図をもとに、飾り屋根の位置が2階軒高位置から水平方向にどのくらい移動しているかを必ず確認しましょう。
(画像では1365が正答になります)

線の太さの使い分け

各級のチェック項目(トレース台でのチェック)では測れない図面の印象度については、採点の際「図面全体イメージ」という項目で客観的に評価されています。

以前までその項目内に「線の太さの使い分け」が含まれていました。
2020年度より評価の対象外となりました。

団体受験の場合には受験者が設定した線の設定ではなく図面を読み込む側(監督者)の設定で図面が出力されるなど、受験者がテスト印刷して判断した線の太さを正確に反映できていなく、公平性を担保できなくなったため、廃止になりました。

採点には影響しませんが、「全国CAD連盟」が推奨している線の太さは以下になります。

極細線 0.05mm

細線 0.09mm

中線 0.18mm

太線 0.25mm

極太線 0.35~0.5mm

塗りつぶし、ハッチング

これまで、南立面図の「窓の塗りつぶし」や「屋根や床下換気口のハッチング」は「図面全体イメージ」として評価項目に含まれていました。

2020年度より評価の対象外に変更になりました。

理由については下記となります。

南立面図で記入すべき「GL・基礎・壁・建具・屋根」など全てを完成させた受験者が「図面全体イメージ」の評価を上げるために、塗りつぶし、ハッチング処理を開始した際に試験時間切れになった時、図面の印象が悪く逆に評価が下がってしまう事案が発生したからです。

おわりに

いかがだったでしょうか。
意外とご存じでなかった情報もあったかと思います。
少しでも皆様の合格に役立てたら幸いです。

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