はじめに
建築CAD検定2級では、南立面図で屋根の作図が必ず求められます。
屋根の作図方法は色々とあります。
ここでは、最短で屋根を描く為、計算を使用した南立面図の寄棟屋根の作図方法についてご紹介します。
屋根を計算で出す方法の資料が少なかったため、詳しい手順について解説します。
完成図
この記事を読むと以下の作図ができるようになります。
![完成図](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/01-1-e1689167092608-1024x585.jpg)
作図動画
作図手順の動画です。
解説
2階軒高を描く
断面図を確認します。
確認すべきポイントは2階軒高の高さです。
![断面図](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/断面図-1.jpg)
下図のように作図しましょう。
![2階軒高の高さ](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/02-1-1-1024x576.jpg)
壁芯を描く
屋根伏図を確認します。
確認するべきポイント
・外形線
・勾配
![屋根伏図](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/寄棟-812x1024.png)
屋根伏図より壁芯を描きます。
![壁芯を描く](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/04-2-1024x576.jpg)
屋根の位置
屋根の輪郭線を描きます。
実際の高さを想定しておおよその位置に描くと間違えにくく正しく描きやすいです。
![屋根の位置](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/05-3-1024x576.jpg)
軒先を描く
軒先を描きます。
軒先の書き方の詳細はこちら
![軒先を描く](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/06-2-1024x576.jpg)
破風の戻りの表現
破風の戻りを表現します。
公式サイトによると30mm程度が望ましいとのことです。
破風の戻りを表現していなければ減点対象となりますので必ずしてください。
![破風の戻り](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/07-1-1-1024x576.jpg)
軒先の延長
軒先を延長します。
延長先は西側の屋根の輪郭線までです。
![軒先の延長](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/08-2-1024x576.jpg)
屋根の高さを出す
屋根の高さを出します。
屋根伏せ図の軒先位置から棟の位置までの直線距離を確認します。
直線距離 = 800 + 2047.5 = 2847.5
屋根の高さ = 直線距離 × 屋根勾配 = 2847.5 × 0.45 =1281.375
軒先から1281.375上に複線するとよいことが分かります。
![屋根の高さの計算式](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/09-2-1024x576.jpg)
東側の屋根を描く
東側は棟の位置から4.5寸勾配でくだっていることがわかります。
屋根の東側の棟の端から4.5寸勾配の線分を描きます。
![東側の屋根の勾配](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/11-2-1024x576.jpg)
4.5寸勾配を東側の屋根の端まで延長します。
![東側屋根の勾配を延長](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/12-2-1024x576.jpg)
延長した勾配線と東側の端部の交点に軒先を移動します。
以下の図のように整理します。
![東側軒先の作図](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/13-1-1024x576.jpg)
完成
完成です。
![完成図](https://t4work.net/wp-content/uploads/2023/07/01-1-e1689167092608-1024x585.jpg)
おわりに
計算で屋根の高さを出すことができるようになったと思います。
線の位置を誤ってしまい計算ミスをすると全く別の形状になることがあります。
間違いがないかよく確認することが大切です。
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